さて、洞窟の外ではガンダルフと
13人のドワーフが
ビルボを置き去りにしてきたコトに気付き
慌てていました。
ドワーフは、彼が今まで役に立っていない
事から中に戻るのをしぶっていましたが、
ガンダルフは、彼ぬきで冒険の成功はありえず、
ここでドワーフたちと別れ、一人になっても
戻ると主張していました。

「忍びの者、ここにあり!」
彼らの真ん中に進んだところで、ビルボは
指輪を外しました。
これにはさすがにみんな驚きました。
特に見張りをしていたバーリンは、見事に
自分の目をすり抜けたビルボに
頭巾を脱いでおじぎしました。
みんなが知りたがったので、ビルボはひとりになってからの
顛末を語って聞かせました(しかし指輪についてはまだ話す
時期が来ていないと思い、黙っていました)。
もう彼を「役立たず」と呼ぶものは居なくなりました。

その後、一行は馬を失った分の
遅れを取り戻すため、ワシに
運んでもらったり、

熊と人間の中間に位置する
種族のビヨルンの世話になったりして
(どちらもたいへん気難しい者でしたが
ゴブリン鬼を嫌う気持ちは同じでしたので
彼らがその王を倒したと聞くと、大いに喜んで
力を貸してくれました)
闇の森の入口まで辿りつくことが出来ました。
しかし、ここで思いもかけない話が
ガンダルフから出ました。
「わしにはやるべき事が多いので
ここで諸君と分かれなくてはならない」
これには残る14人が
一斉に飛びあがりました。
「心配はいらん。そのためにビルボを
ドワーフ諸君に紹介したのじゃ。
彼は、自分自身や
お前さんたちドワーフが思っている
以上の人物じゃ。安心せよ、さらば!」
去ってしまう魔法使いを引きとめるなんて
誰にもできない相談です。
仕方なく一行は14人で恐ろしい生き物の棲む
闇の森へと踏みこみました。
中でも一番気が重いのは、やはりビルボでした。
「えらく責任のある立場に立たされて
しまったなぁ。こんなコトならやはり
自分の家から離れるんじゃなかった・・・」

「しかもいきなり大蜘蛛だなんて!」
しかしここで、我らがビルボ君に大いなる
変化が訪れます。
なんと、これまで逃げ回ってばかりだった彼が
あの短剣で大蜘蛛に立ち向かったのです!
びっくりしたのは蜘蛛の方です。
初めて見たホビットが、短剣を
めったやたらに繰り出してくるのです。
間合いがつかめず、ついに
貫かれてしまいました。
この、誰の力も借りず、たった一人で
大蜘蛛を仕留めた事が、ビルボを大きく成長
させました。
「よし、この短剣にも名前をつけよう!
『つらぬき丸』だ!!」
でもビルボ、ちょっと冷静に回りを
ご覧なさいな。
「あっ!みんなが居ない」
蜘蛛の襲撃に気付いたのはビルボだけ
だったのです。
他のドワーフは・・・さあ、いきますよ3回目
トーリンもバーリンもドワーリンも、
グローインもオインも
キーリもフィーリもドーリもノーリもオーリも
ビフールもボフールもボンブールも、
みんな蜘蛛にさらわれてしまったのです。
幸いビルボの機転でバーリンとドワーリン
グローインとオインとキーリとフィーリ、
ドーリとノーリとオーリと
ビフール、ボフール、ボンブールは何とか
助けることが出来ました。
あれ?一人足りない気がしませんか?
「トーリンが居ない!」
「大変だ!捜しに行かなくては!」
「ダメだ。お前たちは私たちの砦に来るんだ」
何と、いつの間にか一行は闇の森のエルフたちに
囲まれていました。
蜘蛛から逃れるだけでも大変だったので、
ドワーフたちはろくに抵抗も出来ず、あっさり
つかまってしまいました。
ビルボだけはとっさに例の指輪で姿を隠し、
難を逃れましたが、果たして彼一人でなんとか
なるのでしょうか?
それにトーリンは何処に消えてしまったのでしょう?