[PR]三井住友海上きらめき生命:医療保険のご案内と資料請求はこちらから

<前半に戻る

 

 

 

仲間の元を離れたスロールは

どこへ行ったのでしょうか。

 

確かに彼は、はなれ山には向かいませんでした。

しかし、 もっと危険なモリアへの帰還を

敢行したのです。

 

 

 

 

彼を、先祖がもっとも栄えた土地へと引き寄せたのが、

疲れ果てた放浪から喚起された過去への憧憬か、それとも

『七つの指輪』の1つが彼にゆっくりともたらした狂気だったのかは分かりません。

しかし、たったの2人で、恐ろしいバルログやオーク鬼の住む

モリアへ戻ろうなどと考えさせたことからすれば、後者だったのかも知れません。

 

 

 

 

しかもスロールは、ナルが止めるのもきかず、

主人らしく、たった1人で、正面から堂々と

モリアの門をくぐったのです。

 

・・・そしてそれきり、彼はその姿では

戻って来ませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナルは1人、入口近くの物陰で

何日も待ちました。

彼にはそうすることしか出来ませんでした。

 

そしてある日・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戸口の前に、何かが放り出されました。

中からはナルに向けて、何かを言っているようです。

 

 

 

 

 

「やって来い、ひげじじい。

 こっちからはお前が丸見えだぜ」

「でも今日は心配すんな。使いをやってもらう

 から、ずたずたに引き裂いたりしねぇよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

心配した通り、放り出されたのは

スロールの首でした。

声がそこへ続きます。

 

「お前らの一族が、その汚いひげを突っ込めば

 いつでも同じ目にあわしてやると伝えておけ!」

「今のここの主人の名前は、

 そいつの顔に書いてあらぁ」

 

見るとスロールの額には、アゾクという文字が

焼き付けてありました。

 

 

 

ナルは主人のあまりにも変わり果てた姿を悲しみ、

せめて首だけでも仲間の元へと返してやろうとしましたが、中の声はそれを許しませんでした。

「替わりにこれを持って帰れ!使いの駄賃だ」

2・3枚の小銭が入った袋が投げつけられました。


[PR]ベビー用品はたまひよ♪:子育てが楽しくなる便利アイテムいっぱい